声明

総務省・東京都による
国立市への「是正要求」は
正当な行為とはとうてい言えない

総務省・東京都による
国立市への「是正要求」は
正当な行為とはとうてい言えない


2009年2月26日
反住基ネット連絡会



■失敗した住基ネット

住基ネットの1次稼働から6年あまりが経過している。短いとはとうていいえない時間だろう。しかし住基ネットは、当初の「大きな期待」に反して電子政府やユビキタス社会の基幹システムとして発展することはなかった。 「住基ネットの発展」は、「住基カードの普及」と「住民票コードを使った個人情報の活用(結合)のための法制度の制定」によって進められる。しかし、6年間の実績は、

  住基カードの普及:累計で、全人口比約2%(283万枚:2008年11月30日)
  個人情報活用(結合)の根拠法制定:0件(稼働システム数:0)


という状態にとどまっている。住基ネットやそれを取りまく環境は「電子政府やユビキタス社会」を「創発」する環境などではなかったことが、この結果から容易に理解できる。
6年間にわたり、セキュリティ対策などを含めれば数1000億円にのぼるだろう公的資金がつぎ込まれた結果がこれなのだ。

■是正が必要なのは国の側だ

このような、「基幹システム」ともいわれる大規模な事業の明らかな「失敗」が、6年もの長期にわたって放置されることは、民間ではありえない。「少なくともとっくに担当者の責任が問われている」という指摘が、民間ビジネスや技術の現場からしばしば聞こえてくる。わたしたちもそう思う。
このような結果しか「住基ネット」が出せなかった理由について、私たちはこの間、あまりにも多くのことを指摘し続けてきた。だからここでは、「住基ネット」が私たちに息苦しさと不利益しか提供してこなかった事実、豊かさへの確かな手がかりを何も提供できていない事実こそ、日本政府のもっとも基本的な失敗なのだ――とだけ、指摘しておけば十分だろう。

■「失敗した法制度」に対するコンプライアンスとは何か?

問題点ははっきりとしている。
今問われていることは、「失敗した住基ネット」の制度設計をした国(総務省市町村課)の真摯な反省を抜きにしたところで、その国が「自治体」に「コンプライアンス」を求めることに正当性はあるのか? という問題にほかならない。
制度の失敗に対する「反省と責任の明確化」が国の側で進められる状況であれば、その制度を批判した自治体に「是正要求」など出るはずはないのだ。
繰り返すが、現在問われるべきものは、「現行法体系」としての住基ネット制度に対する自治体のコンプライアンスなどではない。「住基ネット」という「失敗した制度・システム」を設計し構築した日本政府の信頼性、「住基ネット」という政策の正当性である。


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